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日別アーカイブ: 2025年7月17日

末広工業のよもやま話~第15回~

皆さんこんにちは!

末広工業、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~多様化~

ということで、足場工事における多様化の現状と背景、それがもたらす影響について深く掘り下げて解説していきます。

 

建設現場や改修工事の現場において、なくてはならない存在である「足場工事」。一見すると単調な作業のように思われがちですが、近年、足場工事は使用目的、構造、安全性、対応現場の種類など、あらゆる面で多様化が進んでいます。


1. 足場の種類が増えたことで現場対応力が向上

かつて足場といえば「単管足場」や「枠組足場」が主流でしたが、現在では以下のように目的・条件に応じた多種多様な足場が活用されています。

  • くさび式足場(ビケ足場):低層〜中層住宅に適し、組立がスピーディで安全性が高い。

  • 枠組足場:中高層のビルや公共工事に広く使用される頑丈な構造。

  • 吊り足場:橋梁や天井など地面からの設置が難しい現場に対応。

  • 移動式足場:工場内や室内作業など限られたスペースでも柔軟に設置可。

  • ローリングタワー:軽量でキャスター付き、移動や調整がしやすい。

こうした足場の多様化により、従来対応が難しかった現場でも、効率的かつ安全に作業が行えるように進化しています。


2. 使用分野の広がり〜住宅だけでない足場の現場〜

足場工事の対象は住宅建築や外壁塗装だけではありません。近年では以下のように、対応分野が多岐にわたっています。

  • 橋梁や高速道路などインフラ工事

  • 工場・プラントの保守点検や解体工事

  • 寺社仏閣などの文化財修繕

  • ソーラーパネル設置時の仮設構台

  • イベントステージや仮設観覧席の設営

これにより、足場工事は「建設業の裏方」ではなく、あらゆる現場の安全と効率を支える多機能な分野へと変貌を遂げています。


3. 安全性と作業性を両立する設計思想の進化

足場は作業者の命を守る装置です。そのため、昨今はより高度な安全配慮が求められ、多様な設計や部材の開発が進んでいます。

  • 転落防止のための先行手すり付き足場

  • 高所作業車と連動可能な足場構造

  • 狭小地対応のジャッキベースや隙間対応の補助材

  • 軽量化と強度を両立したアルミ製部材

こうした技術進化により、施工者の作業効率と安全性が格段に向上し、現場の全体工程にも良い影響を与えています。


4. 足場工事のDX化・テクノロジーとの融合

足場工事にもデジタル技術の波が押し寄せています。現場ごとのカスタマイズを効率化し、施工の精度やスピードを高めるための技術が普及し始めています。

  • 3D CADによる足場設計とシミュレーション

  • 現場撮影による自動配置提案システム

  • 現場管理アプリによる工程・進捗の見える化

  • ドローンによる高所の設計確認と安全チェック

これにより、従来の「現場経験に頼る施工」から、「可視化された設計・管理による施工」へとシフトし、若手職人の育成や技術継承も支えています


5. 環境と持続可能性への対応

足場工事においても、環境配慮やサステナビリティの観点が重視されるようになりました。

  • 再利用可能な部材の活用

  • 運搬時の燃料削減を考慮した軽量化

  • 仮設資材のリサイクル・分別管理

  • 周辺環境への騒音・粉塵対策

これにより、足場工事は単なる「仮設構造物」ではなく、環境配慮型インフラの一部としての意識が高まってきています。


6. 人材と働き方の多様化

足場業界では、多様な人材や働き方が広がりを見せています。

  • 若手だけでなく、女性職人や外国人技能実習生の受け入れ

  • 短期・スポット型の施工チームの活用

  • 安全教育のオンライン化・標準化

  • 資格取得支援によるスキルアップの推進

現場が多様化する中で、柔軟な働き方と人材確保が業界全体の成長の鍵となっています。


足場工事は“現場力”の最前線へ

足場工事は今や、単なる「建物の外枠」ではなく、安全・効率・柔軟性・環境配慮・技術進化をすべて内包した総合的な現場技術に進化しています。

多様化は、ただ選択肢を増やすだけでなく、「その現場に最適な施工とは何か?」という問いに柔軟に応えられる体制を整えるということでもあります。

これからの足場工事は、建設業全体の質を左右するキードライバーとして、さらに進化していくことでしょう。

 

 

 

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