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日別アーカイブ: 2025年11月25日

末広工業のよもやま話~第26回~

皆さんこんにちは!
末広工業、更新担当の中西です。

 

さて今回は

高所作業車との使い分け

 

― 足場とAWPは“対立”ではなく補完 ―

足場と高所作業車(AWP)は、面と点の使い分けが原則です。

  • 面=足場(継続作業・複数人・広範囲)

  • 点=AWP(単発・点検・交換・機動)

この基本に、作業半径・路盤強度・風・障害物といった物理条件を重ねて、
併用で最短動線を描くのが現代現場の合理設計です。


1|機種選定:半径と高さを“図で決める”

種類 特徴 適用現場
シザー/垂直 上下動メイン、水平移動は限定。 内装・高天井点検・電気設備。
直進ブーム 長距離の“オーバーリーチ”が可能。 外装・看板・橋梁下面。
屈折ブーム 障害物を避けて“回り込み”可能。 複雑形状・配管・梁下。

✅ 選定手順

  1. 作業半径図を作成。障害物・電線・看板をプロット。

  2. 「届く」ではなく、「作業姿勢を維持できる」範囲で選定。

  3. 半径内に退避スペースと旋回余地を確保。

図面で“届く”と“できる”を分けて考える。


2|路盤・支持・風:安全を“条件化”する ️

項目 確認ポイント
路盤耐力 地耐力・舗装厚・埋設管位置を確認。必要に応じて鋼板・マットで面圧分散。
傾斜・段差 メーカー規定以内を厳守。水平計で実測。
アウトリガー 接地・水平・ロックを声出し確認。退避代を設計段階で確保。
風速・気象 瞬間風速のしきい値を現場ルールとして明文化。雷接近時は即中止⚡。

️ 「条件を守れば安全」は危険。「条件を“設計”して守らせる」が本当の管理。


3|接触・転倒・第三者災害:ゼロにする運用

  • **スポッター(合図者)**を配置し、旋回死角を常時監視。

  • 仮囲い・ラバーバンパーを設置し、万一の接触でも損傷ゼロ。

  • 停止位置マーキングで誤差を防止。

  • 段差・沈下箇所の事前是正を“前日作業”として内包。

  • 第三者導線は明確に分離、ガードマンで視線と声の両方で制御。

事故は“当日”ではなく“前日”に防ぐ。


4|併用設計:足場が“基地”、AWPが“機動隊” ️

領域 役割 ポイント
足場 面作業の拠点。安定作業・複数人・材料置場。 外壁塗装・大面積改修。
AWP 点検・交換・部分補修などの機動対応。 高所電気・看板・検査。
  • 荷揚げ・資材供給は足場側で分散。

  • AWPは空走距離(移動時間)を最小化する配置に。

  • 両者をゾーン分け図で事前定義し、干渉ゼロに。

AWPと足場は「対立」ではなく「分業」。
足場=拠点、AWP=突撃隊で設計する。


5|運用KPI:数字で“効率と安全”を可視化

指標 内容
作業時間当たりの達成数 生産性評価の基本。
空走比(移動時間/作業時間) AWPの配置・動線精度を示す。
接触ヒヤリ件数 操作・監視体制の成熟度を可視化。
天候キャンセル率 気象判断の妥当性を検証。

「AWPが効く現場/効かない現場」をデータで学ぶ。


6|ケース:看板交換+外壁改修の複合現場

条件:

  • 外壁改修(足場施工)+看板交換(高所作業車)

  • 市街地/通行人多/強風リスクあり

対策ディテール:

  • 足場=外壁改修(面作業)を担保。

  • 屈折ブームAWP=看板交換・点検を短時間集中で実施。

  • 路盤補強=鋼板+マット設置。

  • 風閾値設定=瞬間風速10m/sで即停止ルール。

成果:

  • 工程短縮:−9%

  • 接触ゼロ・苦情ゼロ

足場+AWP=「固定と機動」の最適解。


まとめ:AWPは“点の名手”

高所作業車の力を引き出すのは、条件設定の精度
半径図・路盤・風・合図者――この4要素を定量管理すれば、
足場との併用で“最短・安全・高効率”な現場を描けます。

「どちらを使うか」ではなく、「どう併せるか」。
AWPを“戦略的な一手”に。


✅ 現場で今日からできる3つ

1️⃣ 半径図+障害物プロットを全現場で作成。
2️⃣ 瞬間風速しきい値を事前に掲示し、全員が共有。
3️⃣ 足場×AWP併用ゾーン図を工程表に添付。

 

 

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